タンパク質一日の必要量

献立

ダイエットだけじゃなく健康のためにたんぱく質をしっかりとるということは多くの人が考え、実践もしていることと思います。ですが、ある科学者たちが長年にわたり調べた結果によれば、ただ必要量をとるだけではダメなのです。そして、目的により全体の摂取カロリーに占めるたんぱく質の割合にも注意する必要があるのです。

 


体にまかせて食べるとたんぱく質15%の食事になる

生物には必要な栄養を必要なだけ食べる能力があるのだそうです。それは昆虫での実験でも、マウスの実験でも、そしてヒトでの実験でも同様だそうです。ヒトがセンサーを持っている栄養は5つあるのですが、最も優先されるのがたんぱく質なのだとか。

 

体にまかせて食べたいだけ食べると、センサーが働いて、たんぱく質量は総摂取カロリーの15%になるように食べるそうです。

 

総摂取カロリーの15%というのが生物として生きるためのベースになるたんぱく質の比率です。

タンパク質の割合を間違うと摂取カロリーが増えてしまう

タンパク質の割合が一定値を割り込むと、たんぱく質欲求ホルモンが活性化し、もっと食べようとします。そこで、たんぱく質以外のものを食べてしまうと、さらに比率が下がり、カロリーばかり多くとってしまいます。

 

必要g数のたんぱく質を食べていたとしても、脂肪や炭水化物を多く食べたために全体としての摂取カロリーが多くなるとたんぱく質が占める比率が下がります。

 

すると、たんぱく質の割合15%のターゲットまで食べようとしてさらにカロリーを余分に食べてしまいます。

 

タンパク質一日の必要量は、その人にとって必要な摂取カロリーの15%にあたるg数であり、実際に食べた摂取カロリーの15%になるのが理想的な食べ方です。

 

タンパク質摂取からみる太るメカニズム

 

タンパク質が不足すると、ターゲット量のたんぱく質を求めてさらに食べるためカロリーが増えます。それが毎日の積み重ねとなり太ります。太ると体重が増えて必要なタンパク質摂取量が増えます。なのに今までと同じように不十分な量のたんぱく質を食べているとさらに余計なカロリーが必要になってしまいます。

 


タンパク質が足りない時、うま味を感じる間食が欲しくなる

もし、間食にうま味を感じるようなしょっぱい系のおやつが食べたいと思ったら、もしかするとたんぱく質不足かもしれません。

 

わたしたちのカラダはうま味をたんぱく質の味として認識しています。たんぱく質が不足しているとうま味を求めるのだそう。

 

おせんべの代わりにたんぱく質豊富なものを食べてみると食欲がおさまる確率大です。

目的別たんぱく質の摂り方

タンパク質15%というのは生きるベースとなる食べ方ですが、年齢によって、また目的によっても必要たんぱく質量や食べ方を変えて体をコントロールすることができます。
どのパターンであっても高脂肪食になると悪い影響をもたらしメリットが消えます。

 

美しさ追及なら高タンパク質低炭水化物

見た目重視ならば、高タンパク質低炭水化物食です。糖質制限食ですね。かっこいいカラダになりたい人向け。ただし、この割合で食べると、老化やがん、慢性病を促進しやすく、細胞とDNAの修復や維持のメカニズムを弱めてしまうため寿命が短くなるそうです。ただし、繁殖力は高くなる傾向にあるそう。

 

健康長寿なら低タンパク質高炭水化物

上記の反対に老化や慢性病を起こすメカニズムを弱め、細胞とDNAの修復や維持のメカニズムを活性化させるのが低タンパク質高炭水化物の食事です。健康長寿をめざすならこの割合です。ただし、たんぱく質が少なくなると余計なカロリーを摂りやすくなるため太ってしまうというデメリットがあります。繁殖力は下がるそうです。

 

スリムで健康長寿なら食物繊維をプラス

健康長寿のメリットを受けながら、太りたくない!という方は、低タンパク質高炭水化物の食事の内容に食物繊維を多く取り入れるとよいです。食物繊維を多くすることで腸内環境がよくなり、やせている状態が保てます。

 

年齢別たんぱく質必要比率

年齢別の食事におけるタンパク質のカロリー比率を以下に示します。タンパク質の一日の必要摂取量を計算するときに参考にしてください。

 

  • ~17歳 15%
  •  

  • 18~30歳 18%
  •  

  • 30代 17%
  •  

  • 40~65歳 15%
  •  

  • 65歳以上 20%

 

また、妊婦さんと授乳期のママさんは20%の割合が必要です。

 

自分の一日のたんぱく質必要量の計算方法

厚生労働省が定めた日本人の食事摂取基準では、成人のたんぱく質の摂取推奨量は男性65g、女性50gとなっています。

 

これは個人の体重などに関係なく一般化した数値です。

 

個人の必要摂取量を計算するには、まず、ハリスベネディクト法で1日の必要摂取カロリーを出し、そこからたんぱく質量を算出します。ハリスベネディクト法は、身長、体重、年齢、性別によって算出する数値ですが、ネット上には自動計算してくれるサイトがあるので、検索してみるのがおすすめです。

 

その数値からたんぱく質は1gあたりに含まれるエネルギーが4kcalとして計算していきます。

 

1日の必要カロリーのたんぱく質比率からたんぱく質分のカロリーを計算し、4で割った数値が必要たんぱく質量のグラム数です。

 

そのグラム数を求める割合になるように食べればいいのです。

 

実際にはどんな食事をすればいいの?

とはいっても、簡単ではなさそうですよね?

 

スリムで健康長寿の食事は、沖縄の伝統的な食事が見本になるそうです。ご飯や芋を主食として食べ、適度に魚やお肉も食べ、副菜として野菜を多く食べます。

 

適量の赤身肉、鶏肉、卵、魚、乳製品、ナッツ、豊富な野菜と果物、豆、繊維を残した穀物、適量の良質な油(オリーブオイルなど)をバランスよく食べましょう。

 

たんぱく質量を確保するようにしつつ、糖質と脂質を摂りすぎないようにすること、野菜や海藻をたくさん取り入れることなどを心掛けるとよいでしょう。

 

一日に食べるたんぱく質量についての話題でした。

 

 

実際にこのことを頭に置いて食事をしていると、食欲は落ち着く感じがしています。甘いものへの欲求も減ったように思います。正確に実行することを目指さなくても大丈夫です。たんぱく質量をしっかり食べること、野菜をしっかり摂ることを意識するだけでもかなり効果を感じられています。

 

 

この記事は「科学者たちが語る食欲」を参考に書きました。
もっと深く知りたい方はぜひ本書を手に取ってみてください。

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